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一眼レフ用レンズ望遠鏡化アダプタ

(暫定版)

焦点距離200mmもある一眼レフ用レンズを見ていたら、ふと思いついた。
これ、接眼レンズつけたら望遠鏡にならん? 構造は複雑だけど基本的にはただのf200mmのレンズだし。
実際、一眼レフカメラだとカメラレンズの代わりに望遠鏡を取り付ければf=910mmなんて超望遠撮影ができるし(直焦撮影という)、その逆ってありじゃないかなと。
と思ってレンズのボディ側を接眼レンズで覗いてみると、期待通り拡大された風景が見えたので、これはおもしろいとばかりに製作してみました。
カメラ用レンズならピント合わせに必要なメカや光学系も内蔵しているので、決まった位置に接眼レンズを取り付けるだけの簡単な工作で望遠鏡が作れてしまいます。
一応、自作望遠鏡 って言えるし...?
 

材料

一眼レフ用レンズ (ニコン AF-S DX VR Zoom-Nikkor 18-200mm f/3.5-5.6G IF-ED)
レンズはそれぞれ手持ちのものを利用すること。こんな超高価な物を新品で買ってまで作るメリットは全くない。
焦点距離が長い方が高倍率になりますが、倍率は接眼レンズによっても変わるため、例えば80mmのレンズしかなくても焦点距離5mmの接眼レンズを使えば80/5=16倍望遠鏡になります。

接眼レンズ (HAKUBA ファインルーペ 15X KLU-08)
思いついた当初は望遠鏡用の接眼レンズを取り付けるつもりだったのですが、それじゃあんまりおもしろくないなーと思ってヨドバシ秋葉原で探したらこのルーペが単レンズっぽいけど天井の蛍光灯を投影して焦点距離もそれなりに短そうだったので買ってきました。1320円。
15倍と書かれても焦点距離がわからないので実測してみたら15mmくらい、すると200mmレンズと組み合わせて13倍くらい。ビミョーですが今回はこれで作る事にしました。いずれまた望遠鏡用接眼レンズバージョンも。

レンズ裏ぶた (ニコン LF-4)
Fマウントのボディ側どうにか入手できないかといろいろ考えたら、何のことはない。レンズについてるリアキャップって簡易Fマウントじゃないか。接眼レンズ固定するくらいなら十分だ。
と思ってヨドバシ秋葉原に行くと、売り場にLF-1とLF-4という2種類のレンズキャップが。あるぇー? ニコンてFマウントしかないのに何故にキャップが2種類?と思ったものの、LF-4の方が製作に都合がよさそうなデザインだったのでLF-4にしました。
円周状の模様があったり、後で気づいたのですが取り付け基準点がわかるように外周の刻みが1箇所太くなっていたので絞りバネの細工をするのにも好都合。

アルミ筒 (マキ電機 アンテナ取り付け金具の材料)
接眼レンズをどうやって取り付けようかといろいろ探したらマキ電機のパラボラ取り付け金具の材料の肉厚のアルミ筒がちょうどよさそうだったので、ちょっと短かったですがこれを加工しました。
外径はレンズリアキャップLF-4とほぼ同じ、内径はルーペより少し小さくて旋盤で掘り込むのにちょうどよいサイズ、長さがフランジバック+1ミリくらいしかなかったのでルーペは接着固定せざるをえなくなってしまいましたがまあ良いでしょう。

植毛紙
アルミ筒やルーペの内側がツヤテカしてると光が乱反射してコントラスト低下の原因になるので、表面が黒い毛でフサフサして光が反射しにくく加工された紙を貼り付けて反射を抑えます。スターベース秋葉原で売ってました。

その他、小ネジ、接着剤など 必要に応じて。

設計(一応)

接眼レンズの取り付け位置だけ正確に出せば後はテキトーです。
カメラレンズはカメラの構造上、レンズユニットの取り付け位置とフィルム(撮像素子)面との距離は一定になるように設計されています。なので、接眼レンズの焦点がレンズのフランジバックで指定された位置になるように取り付ければ、ピント合わせは全てレンズ側の機構にお任せでOKという非常に都合が良い仕掛けになっています。

フランジバックとは、レンズマウント(取り付け機構の面位置(フランジ)から後(バック)へ何ミリの位置が焦点になるかを決めた値で、ニコンFマウントの場合フランジバックは 46.5mm となっています。
レンズキャップで見ると、レンズに接する端面がフランジなので、そこから後へ46.5mmの位置に接眼レンズの焦点を固定します。

次に接眼レンズ(ルーペ)の焦点を探しますが、これは単純に太陽光を通して、一番集光している位置を探すのが簡単です。今回使ったルーペはほぼ台座の端面が焦点のようでした。
望遠鏡用の接眼レンズでも基本的には同じだが、仕様書か何かに焦点の位置が書いてあればそれを参考にするのが早くて確実。
 

製作

製作と言っても、アルミ筒の加工する部分を罫書いて、旋盤でちょっと削って、ドリルで穴をあけて、タップ切って、レンズキャップも罫書いて、穴あけて、組み立てて終わりです。
ありあわせの材料を現物合わせで作ってしまったので詳細は写真を参考にしてください。

フランジ面から。
ネジ3本でレンズキャップをアルミ筒へ固定しています。
また、中央の穴はレンズの後玉より大きければ十分なので、ちょっとちょっと大きすぎたかもしれません。
写真の右側にあるのが絞り開放用のネジなのですが、偶然にもアルミ筒固定ネジとピッタリ干渉してしまいました。

Fマウントのレンズはデフォルトで絞り最大になってしまうので、レンズキャップの横からネジを刺してレンズキャップを締める時にレバーが押されるようにします。
側面にネジの頭が出ててダサいので、次作る時はキャップの上面から刺してみようかと思います。
位置合わせ自体は穴加工した後なら内部が見えるので、レバーを棒で押し込んだ状態から目測で狙います。

接眼レンズ取り付け部
写真ではわかりずらいですが、旋盤でフランジバックの位置に合うように削り込みました。


接着。
写真がないのだが上記加工の後、接眼レンズ用のルーペを接着しました。
接着は再利用不可になるのでできるだけ避けたいのだが材料の都合上やむおえず。

植毛紙貼り。
実験したくてまだ貼ってないので作業後に掲載します。

完成


こんな感じになりました。

三脚へのマウントについて

やはり星空を見るとなると手持ちではブレてうまく見えなかったり、そもそもカメラレンズが重いので持ってるの大変だったりするので三脚へ固定したくなるわけですが、今回使ったレンズNikkor 18-200は三脚マウントなんかついてなく、対応するバンドもありません。
ホームセンターやヨドバシカメラを探したり、望遠鏡用のパーツで何かないかスターベースで聞いたりしたものの、結局、水道管用のバンドにスポンジを挟んで固定しました。
アルミ筒の部分ににタップ切るか何かして三脚に固定する案もあったのですが、重量バランスが悪いのと、レンズキャップはロック機構がないので最悪レンズ落下して6万円とかいうのもいやんなのでやめました。

実績,使い勝手

オリオン大星雲、木星の衛星、すばる、ヒアデス星団

今回は13倍(推定)と倍率が低いので星団を見るのにちょうど良い。同じ口径の望遠鏡と比べると光学系が複雑でロスが多いのか少し暗いものの、ズーム機能は通常の望遠鏡には存在しないのでうまく使えばおもしろいかもしれない。
逆に、何故望遠鏡にはズームなどの複雑な光学系が使われないのかよくわかる。暗い。少しでもロスを減らしたいので基本的に望遠鏡はシンプルな構成になっている。
実際、φ72mm f=200mmのレンズ単体だと計算上F=2.8になるはずが、Nikkor18-200では5.6になっている。
まあこれはそもそも設計思想が違うものを転用しているため仕方ないとこだろう。
もう少し運用してみないとわからないが、星団を見るのに任意の倍率で視野いっぱいに合わせることができたら楽しそうだし、人に説明する時も見かけ視野に対して適当な大きさに調節すれば認識してもらいやすくなるかもしれない。接眼レンズ交換する必要もなくてお手軽。
あと、逆さに見えることさえわかっていればフィールドスコープとして十分使えます。明るい場所で使う分には多少暗い事なんか全然関係なくて普通に遠くのものを観察するのに利用できます。また、コンデジと組み合わせてコリメート撮影すれば、カメラの焦点距離*倍率でf=1000mm以上の超望遠撮影も可能です。

その他

円に接する正三角形の出し方がわからなくて失笑を買ったのは実話。
円の半径に開いたコンパスを円周上に順番に落としていくと六角形が書けるので、それを間引いて3点取ればOKのようだ。
絞り開放用のネジを刺すための穴が、1発で位置が合わなくて何回か開けなおしたため側面は見てはイケナイ事になっている。

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