放射性物質と秘伝のタレ(半減期とは)

Twitter見てたらいまだに全減期とか言ってるのがいるらしいので解説してみる。

放射性物質とは:
不安定な原子核が一定の割合(これはこの宇宙のルールにより絶対に変えられない)で放射性崩壊を起こして、安定(非放射性)な原子核に変化する物質である。

秘伝のタレとは:
創業当時のタレが一定の割合で食べられて、新しく補充されたタレに置き換わって行く物質である。

半減期とは、一定の割合で変化して最初にあった物が半分になるまでの期間である。

放射線の半減期とかいうと難しくてワケワカランかもしれませんが、秘伝のタレだったら簡単にイメージできますよね?
毎日少しづつ食べられて、少しづつ補充される秘伝のタレ、代々受け継がれてるのはいいが創業当時から受け継がれてるタレどんだけ入ってんのやと。
この、代々受け継がれる過程で創業当時のタレが半分になった時が半減期です。

説明してもよくわからないと思うのでシミュレーションしてみましょう。

とりあえず、秘伝のタレを10L用意して、毎日0.1Lづつ使うと仮定します。





スタート時点からの割合が半分になったところが、"半減期" と言います。
但し、一定の「割合」で減っていくので、どこからスタートしてもスタート時点から半分になるまでの期間は同じです。



半減期とは、ある時点から元の物質の量が半分になるまでの期間です。



ただひたすら一定期間ごとに半分になっていきます。















グラフにするとこんな感じ。

という感じで、一定期間毎にひたすら半分になり続けてやがてどんどん小数点以下になっていくだけでゼロになる事は永久にありません。
よって全減期とかありません。
但し、半分になるまでの期間が物質によって違います。
半減期が経過すれば安全化するわけでもないです。もともと大量にあったら半分になっても危険です。

しかし、地球や宇宙にはもともと放射性物質が存在します。
そもそも原子力発電に使うウランやトリウムも元々は山から掘ってきた物です。天然物です。
身近なところだと、ラジウム温泉とかいう放射線が出る温泉がありますが、あれも地下水がたまたま放射性物質の溜まっている場所を通って出てきただけです。
山から掘ってきただけではそれほど危険ではないのですが(食べたら危険な場合もあります)、原子力燃料に使う放射性物質は放射線の強い部分だけを大量に集めてあるので危険なのです。
なので、理論上は掘ってきた場所に戻せば無かった事になります。
生命誕生から40億年、この環境で生きられたからこそ、地球上にまだ生命が存在し続けているので、基準値以下の些細な放射線なんか気にしても無意味なのです。
自然からの放射線が日本で設定された最低基準より強い地域にも人住んでるし。