長波JJY簡易コンバータの製作

今ではすっかりおなじみの電波時計ですが、2009年6月10日、その電波時計へ時刻情報を送出している「おおたかどや山標準電波送信所」が10周年を迎えたにあたり標準電波を管理しているNICT(情報通信研究機構)が10周年記念カード(SWLカード)を発行するとの事なので、長波JJYを受信するための簡単なコンバータを作ってみることにしました。
 

仕様

とりあえずこんな感じ。
電源電圧: DC12V (一般的なアマチュア無線用電源に合わせて)
受信周波数: 40KHz
出力周波数: 12.840MHz
 

*アンテナ次第で60KHz→12.860KHzも可

 回路図


回路と言ってもFET1個で周波数変換しているだけで、局発には既製品の発振器を利用する事で発振回路すら製作する必要がなく極めて簡単です。
HFトランシーバ(受信機)の多くは1MHz〜30MHzまで広帯域に受信できるので、受信可能な帯域内の適当な場所に落とせば後は受信機側で調整可能なので特に局発周波数を厳密に決める必要はありません。
手持ちの受信機が特定の周波数しか受信できない場合はその周波数に合わせて局発,コイルを変更してください。

調整

出力にFCZコイルで共振回路を構成しているので調整が必要です。
調整は必要な周波数と局発周波数が40KHz差と限りなく近いので、IF Out端子に漏れている局発信号に合わせるのが簡単です。
RFプローブで見ながらFCZコイルを回して最大値に調整してください。実際に受信できるようになったら聞きながら再調整するといいかも。

実際に受信してみる

さて、完成したら実際に受信してみます。
HF機(FT-757SX)のアンテナ端子に接続して、CW(SSB)モードで12.840MHz(12.760MHz)付近を聞いてみて、ぴー ぴ ぴー... と1秒毎にパルスが聞こえればOKです。
ミキサがFET1個なので、12.800MHzに強力な局発漏れが出てしまうので抑圧など発生しないか心配はありましたが特に致命的な問題は発生してないようです。

もし局発漏れによって受信機に障害が発生するようならミキサをバランスミキサにしてキャリア抑圧するくらいしか対策しようがないのですが今の所特に問題ないので気にしない事にします。
部品増えるし。
 

アンテナについて

今回は40KHz受信用のアンテナに、秋月電子(トライステート)の電波時計キットに添付のバーアンテナを使用しましたが、40KHzアンテナ単品では販売されていません。
そこで、60KHz改造キットとして販売されている60KHz用バーアンテナにコンデンサを追加でパラらせて40KHzに下げたら使えるんじゃないかなー?と思います。
40KHzバーアンテナのコンデンサは27000pFなので、計算からインダクタンスは586uH
秋月の写真から60KHzバーアンテナのコンデンサは12000pFなので、586uHとの共振周波数は60KHz
...つまり、そういう事。
おそらく、秋月で60KHz改造キットを買ってきて15000pF(0.015uF)をパラれば40KHzに使えると思います。未確認ですが。
うまくいけばスイッチでコンデンサの接続を切れるようにして40KHz/60KHz両対応が可能かもしれません。

あるいは、ペットボトルに巻いて作る方法がNICTサイト内にあるので、それを参考に作ってみてもいいかもしれません。
うまく作ればバーアンテナより高感度だと思う(試してない)ので。

参考

日本標準時プロジェクト おおたかどや山開局10周年
http://jjy.nict.go.jp/news/40_10anniversary.html

資料室 長波標準電波(JJY40KHz)を聴いてみませんか
http://jjy.nict.go.jp/QandA/reference/listen40guidance.html